カテゴリー「宇宙開発」の133件の記事

December 10, 2023

日本橋Space WeekでSoyuz宇宙船を見てきた

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 2021年に宇宙に行った前澤友作氏が国際宇宙ステーションから戻ってきたときに乗っていたSoyuz MS-20宇宙船が日本橋Space Weekで一般公開されていたので、終了間際に駆け込みで見てきた。
Soyuz自体は以前モスクワの宇宙飛行士歴史記念博物館に行ったときに見たことがあるのだが、ロシアのウクライナ侵攻によってロシアへの渡航が絶望的になった今、まさか再びこの目で見られるとは思わなかった。見ての通りSoyuzの展示は簡単な囲いがあるだけの太っ腹の展示だったので舐めるように写真やビデオを撮りまくったのは言うまでもない。

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April 19, 2020

爆発的に発達しつつあるVR技術 VRChatというオンラインサービス

 以前にVTuberやVRChatなどのバーチャルに嵌ってるという話を書いたが、まさか自分がVTuberではないが美少女(?)のアバターをまとってバーチャル空間で講演する日が来るとは思わなかった。

そもそも発端は一年以上前に遡る。いつものようにTwitterを見てると「バーチャル蠱毒」という単語が飛び込んできた。バーチャル蠱毒自体がどんなものかは、話すと長いし今回のテーマでないので詳しくは次のリンク先を見てもらいたい。

バーチャル蠱毒終演! 61名が作り上げたドラマとフィナーレ
ひとことで言えば、VTuberのアバターの公開オーディションなのだが、一つのキャラクターを巡って、ナンバーを振られた複数の候補者が、ネット上でリスナーのポイントによって勝敗が決まるという仕組みが、まるでデスゲームを彷彿させるところから付いた名称である。

それがきっかけとなって、当時たいして興味のなかったVTuberを見るようになり、ゲーム開発者という仕事柄、その仕組を調べていたらVTuberに限らずVR技術が爆発的に発達しつつある黎明期に居合わせていることに気がついて、すっかり虜になってしまったのだ。そこらへんの下りは以前にも書いたので詳しくはそちらを読んで欲しい。

とはいえ、最初の頃は技術的な面を調べるのが中心で、自分がプレイヤーになってVR空間に入ったり、ましてや、演者となって配信するつもりはまるでなかった。

だが、VRサービスの一つであるVRChatというオンラインサービスが、3DCGやゲームに興味がある人なら誰でも夢見る「自分で作ったキャラクターになって、自分の作った世界を歩き回りたい」ということを、文字通り実現出来る環境だと気づいてから様子が変わってきた。

◎VR空間に集まって話そう

VRChat自体はその名の通り、VRヘッドセットをつけて仮想空間で同じようにログインしてきた他の人と話したり、仮想空間を移動したりするチャットソフトに過ぎないのだが、凄いのは仮想空間でプレイヤーが使えるキャラクター(アバター)だけでなく、仮想空間上の世界そのものをプレイヤーが作ってアップロードすることで、自分や他の人が使えるようになる点にある。

そんなわけで、VRChatでいろいろ作ったりしていると、自分で作ったアバターをテストしたり、他の人の作ったワールドを探索するために、VR機器をつけてバーチャル空間に入ることが、ごく普通のことになってくる。

そうやって自分の作ったアバターで他の人の作ったワールドを巡っていると、VRChatでいろんな活動をしているグループが多数あることに気がついた。それも単なる趣味の集まりをはるかに超えた、素晴らしい活動をしているグループがいくつもあるのだ。

ある人たちは技術系のコミュニティを作り、プログラムを駆使して、見たこともない景色や機能をワールドに組み込んだり、ある人たちは中世ファンタジーワールドをVRChat上に構築して、その中で様々な冒険をしたり語り合ったり、ある人たちは仮想空間上に飲食店を作り、仲間同士で商店街を形成して、来る人達をその中でもてなしたりと、さまざまな活動をしているのだ。

その中で自分が興味を引かれたのは、天文・宇宙開発系のイベントを行ってる天文仮想研究所だった。ここの凄いところは、自分たちでイベント会場である打ち上げ可能なロケットのあるワールドや、実際に操作可能なプラネタリウムなどを作って、それを使って解説や配信をしているところだ。

参考:「VRChat初心者向けガイド」https://vrc.wiki

そんなわけで、VRChatを通じてこのグループのイベントに参加したり、お手伝いをしているうちに、イベントで解説をしてくれる人がいないので手伝ってほしいという話から、いつの間にか自分がアバターをまとい解説することになったのだ。

おそらく、バーチャルじゃなければ絶対にやらなかったと思うのだが、実際にやってみると思ったよりも面白い。たぶんバーチャルということで、人前で話すのに抵抗感が少なかったことと、それ以上に現実ではできない演出や世界を舞台にイベントを進められることと、なによりも多人数で集まって話ができるということが素晴らしい。

コロナが蔓延して家に閉じこもることが求められるこのご時世で、とても貴重な経験になったからかも知れない。本当にみんなで集まって話すのは何週間ぶりだろう。人と集まれない今こそ、バーチャルの集まりが求められるのかも知れない。

このイベントは360度動画でも配信したので、興味のある人はアーカイブを見てほしいが、正直なところ360度動画でも、実際にVR機器を使って仮想空間の中で見た面白さは伝えきれてないと思うので、次回は是非ともVR空間に来て参加してほしい。
第六回宇宙ガイド ソ連・ロシア編

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December 29, 2017

【告知】冬コミで宇宙の傑作機「ソビエト・ロシアの早期警戒衛星」を出します

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*告知・紹介で使用する限り上記の画像は自由に使って構いません

 少し前に幸か不幸か仕事が途切れてる間に原稿を書くことが出来たので、同人誌ながら商業誌レベルの内容と執筆陣の本を出している風虎通信より、今回も本を出させて戴けることになった。
 今回は前回の偵察衛星に続いて知られざるソビエト・ロシアの早期警戒衛星について解説した内容になる。また早期警戒衛星だけでなく、地上の早期警戒システムやあわや核戦争を引き起こしかねなかった過去のミサイル誤検出事件の原因や背景についても書いてみた。冒頭には早期警戒衛星とはなにかといった概論も載せたので気楽に手にとって欲しい。

*本はコミックマーケット93の3日目、12月31日(日)に風虎通信(東P-7b)で頒布いたします。会場に行かれる方で興味のある方はぜひお立ち寄り下さい。なお時期と部数は不明ですが神保町のくだん書房に少数入荷するので、もし会場に行けなくて興味のある方はそちらに当たって頂くと入手できるかも知れません。

2018/1/15追記:くだん書房さんでの委託が決まりました。コミケで書いそびれた方はこちらから購入出来ます。

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October 07, 2017

三才ブックスより出版された「旧ソ連遺産」の解説を手伝いました

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 以前三才ブックスから出版された「バイコヌール宇宙基地の廃墟」と言うバイコヌール宇宙基地に廃棄されていた旧ソ連のシャトル「ブラン」の写真集を少しだけお手伝いした縁で、今回「旧ソ連遺産」と言う建造途中で廃棄された原子力関連施設やロケットエンジン工場などの写真集の解説を行いました。2011年末、ロシア・エネゴマシュのロケットエンジン工場に女の子が潜入し、撮りまくった写真をネットにアップした事件を覚えている人も居ると思いますが、その彼女の写真集になります。
 自分は主にロケット工場とモスクワ郊外のクビンカ周辺の軍事施設に廃棄された車両やミサイルの解説を行いました。建造途中で廃棄された原子力関連施設、原子炉保護容器、核兵器貯蔵庫、ロケットエンジン工場、軍のバックヤードに遺棄された軍用車両やミサイルなどその手のものが好きな人には必見の内容なので宜しければご覧ください。

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August 20, 2017

北海道(函館・苫小牧・札幌)旅行記(2日目)

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函館に行ったら朝市と言うところだが、ネットで自由市場に行けばその場でさばいてくれる上にフードコートで好きなモノを食べられると聞いたので予定を変更して自由市場で朝食を取る。奇しくも泊まっていた宿の直ぐ側だったのでありがたい。

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せっかくなので函館の北方民族資料館に寄ってみた。ゴールデンカムイに出てきたアイヌ人たちの様々な民芸品の本物が見れる隠れた穴場なのに猛烈に過疎ってて勿体無い。

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因みにこちらがゴールデンカムイでも登場した制裁棒(ストゥ)。これ漫画の中では普通に殴ってたけどタダでは済まなそう(笑)。

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続いてスーパー北斗で札幌に移動する。段々風景が広大になっていくのが良い。昼食は駅弁のニシン磨き弁当。
北海道を旅行していると中国の人が多いのに気づく。特急電車内のアナウンスも日本語と中国語だけで英語も無い。

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途中、苫小牧で途中下車して苫小牧市科学センターにある旧ソ連の宇宙ステーション「ミール」を見に行く。諸説あるものの苫小牧市の説明によれば世界で一つの本物のミールの予備機がここに無料で展示されているのだ!

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会場では日本人として初めて宇宙に行きミールに滞在した秋山氏のビデオを流していた。

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ミール・コアモジュール、クバントだけでなく、関連するステーション内作業着やそこで使われていた機器なども展示されている。

この他にもディテールを撮りまくっているのだがキリがないのでBlogでは割愛、気になる人はぜひ現地でこの目で見て欲しい。

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苫小牧のミール。時たま来る子供は15分位で飽きてしまうようだが、宇宙クラスタ的にはいくらでも見所があって飽きない。

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それにしても苫小牧は道路が広くて大通りだと6車線もあり、1ブロック間がすごく離れていてふとロシアを彷彿させる。

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札幌ではやはりジンギスカンだと思って人からもお勧めされた人気の「だるま」に行こうと思ったが、想像以上に韓国系と思われる外国人観光客で混んでいたので(向こうで紹介されたのだろうか?)、その場でGoogleで調べて人気があると言う十鉄と言うお店で夕食を食べる。

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すすきののど真ん中のカプセルホテルに帰投する。最近、個室カプセルを使うとカプセルホテルでもかなり快適でかつ安い事が分かって以来、基本的に宿は個室カプセルを使っている。

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August 09, 2017

【告知】夏コミで宇宙の傑作機「ソビエト・ロシアの偵察衛星」を出します

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*告知・紹介で使用する限り上記の画像は自由に使って構いません

 同人誌ながら商業誌レベルの内容と執筆陣の本を出している風虎通信より、今回も本を出させて戴けることになった。
 今回は知られざるソビエト・ロシアの光学偵察衛星について黎明期のゼニットから現用のモルニアまでの開発・構造・運用について解説した内容になる。冒頭には偵察衛星とはなにかといった概論も載せたので気楽に手にとって欲しい。

*本はコミックマーケット92の2日目、8月12日(土)に風虎通信(東ペ-60b)で頒布いたします。会場に行かれる方で興味のある方はぜひお立ち寄り下さい。なお時期と部数は不明ですが神保町のくだん書房に少数入荷するので、もし会場に行けなくて興味のある方はそちらに当たって頂くと入手できるかも知れません。

2017/8/13追記:本書中に以下の間違いがありました。現在確認している訂正個所は以下の通りです。
・P99:貼られているソビエト・ロシアの偵察衛星運用期間にZenit-6TMが抜けていました。正しい表は以下の通りです。
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March 25, 2017

ロシアの宇宙食2

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 だいぶ前にロシア宇宙施設を見学する機会があって、その際にロシアの宇宙食を買ってきた事があるが、その時は宇宙施設や専門の博物館でしか買えないもので、しかもえらく高くてとても気楽にお土産に出来るものではなかった。昔はそもそもお土産に売っている事など無かったのが、ソ連が崩壊してロシアになってそこそこ商売っ気が出てきたとは言え、まだまだ宇宙関係では商売ベタだと感じたのを覚えている。
それが最近のニュースではようやくロシアでも宇宙食がお土産用に普通に空港やモスクワ周辺の人が集まる施設で売られるようになったらしい。気になったので丁度ロシアに行く方がいたのでお願いして買ってきてもらったのがこのチューブ入りのボルシチである。ちなみにこの他にラッソーリニク(きゅうりのピクルスが入った酸味のあるスープ)やトヴァローク(ロシアでよく食べられるカッテージチーズのようなもの)などもあるらしい。値段はすべて300ルーブルでレートによっても異なるが日本円でだいたい600円から900円くらいだろうか。
気になる味のほうだが見た目は滅菌処理のせいかボルシチの赤みも飛んでいるうえに、チューブ入りにしたせいで大きな肉や野菜もペースト状になってしまっていてイマイチなものの、味は意外に悪くない。これだけで食べるのを想定しているのか意外と薄味なものの風味や香りはチューブ入りとは思えないほどしっかりしている。まあこれをちゃんとした食事のつもりで買うとしたら割高なのは否めないがちょっと宇宙に興味がある人へのお土産用には結構お勧めだと思う。
ちなみに補足すると、実は今の宇宙食はロシアに限らずどの国も宇宙飛行士の士気を高める目的もあって、実はちゃんとしたプレートに盛り付けられる普通の食事に近い形態になっていてチューブで食べるのはもう何十年も前の話なのだが、製造元曰く宇宙食というといまだにチューブ入りのイメージが強いのであえてこんな形式で販売しているそうだ。

参考Link:モスクワの自販機で買った宇宙食を食べた!

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December 24, 2016

ようやく種子島でロケットの打ち上げを見れた(3日目)

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 種子島ロケット打ち上げ見学旅行も今日で最終日になる。ロケットの打ち上げは延期が付き物なので予備日として取っておいたこの日を使って鹿児島観光をすることにした。とは言え夕方の飛行機で羽田に発つので、回れる時間は限られている。そんな訳で鹿児島では桜島を中心に見ることにする。

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桜島に渡る桜島港に向かう途中の道から見た桜島。ここからでも既に絶景だ。

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タイミング良く1日1便の寄り道クルーズ船があったのでそれに乗る。

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鹿児島港から桜島に行く途中に海自の補給艦が居た。ググったら「ときわ」らしい。

上陸して早速観光をしようと思ったが、意外に桜島は大きくて歩いて回ると遊歩道を登るちょっとした登山になるので(山だから当然だが)、一時間で桜島港から湯之平展望所を循環している循環バス「サクラジマ アイランドビュー」で回ることにする。これは一日8便運行していて一日乗り放題で1,200円なのがありがたい。当然だが凄い駆け足で回るので各停留所は5分から15分くらいしか止まらないのだが、今回は時間が無いのでかえってありがたい。

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赤水展望広場の叫びの肖像。2004年8月21日に桜島で行われた長渕剛のオールナイトコンサートに合わせて作られたオブジェ。

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桜島の火口に最も近い湯之平展望台から見た桜島。

写真は撮り忘れたが桜島のお墓は火山灰や噴石から守る為に屋根付なのが面白い。

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桜島の道の駅で熊本ラーメンを食べる。なんか国内旅行では各地のご当地ラーメンを食べるのが定番になりつつある。味は豚骨ベースで地元の黒豚を使ったチャーシューが入ってこってりした印象だが、思ったよりもマイルドで食べやすい。

鹿児島港に戻るとだいぶ時間が押していて危なかったので、鹿児島空港行きリムジンバス乗り場までタクシーを拾ったが、乗ったタクシーの運転手が気風の良いおばちゃんで面白かった。何故か宝くじ必勝法の話題で盛り上がる。

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鹿児島の路面電車

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 幸運にも一回で延期も無く打ち上げを見れて、これで一生のうちで見ておきたい物が一つクリア出来、始めてのロケット打ち上げと鹿児島観光を終えて帰ってきた。以前、仕事が途切れたと書いたが幸か不幸か旅行中に連絡が入り再び仕事が入って月曜からまた忙しい日々が始まる。正直に言えばあと1日休みたかった。

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December 18, 2016

ようやく種子島でロケットの打ち上げを見れた(2日目)

12/10
 2日目の朝は宿の朝食が8時だったので、いつも通り7時には起床する。朝が早いのもまるで田舎に帰省しているみたいだ。なんでも宿の方は普通は畑で作物を作っているそうなので、朝が早いのも当然かもしれない。お陰で宿の食事も自家製野菜や果物がふんだんに使われていて実に美味しいのだ。この日の朝食は典型的な日本の朝の食事で魚、具だくさんのお味噌汁、サラダ、卵、納豆と言った献立に、デザートにヨーグルトに自家製マンゴーの手作りジャムまで付いてきて大満足だった。いつも食事は隣室の夫妻と食堂で取っていたのだが、話を伺うと二人は特に宇宙ファンと言う訳ではなく小惑星探査機はやぶさがきっかけでロケットの打ち上げに興味を持ったという。こんなところでもはやぶさ効果を実感する。
 それにしても今回の宿は実に快適だった。のんびりとした島の雰囲気と島の人から直接種子島のロケットの話が聞けるのは面白い。またごく普通の人でも今回の打ち上げの前にロシアの宇宙ステーション補給機プログレスの打ち上げが失敗しているのを知っているあたり、さすがはロケットの島だけの事はある。
 宿や島の面白い話もいくらでもあるが、そろそろ本題のロケット打ち上げの話に戻ろう。この日は午前中に宿をチェックアウトして夕方の高速船トッピーが出るまで、島の南端にある種子島宇宙センターを観光する。打ち上げの翌日なので施設内の多くは立入禁止だと思っていて油断していたのだが、何でもこの日も予約すれば宇宙センター内部を案内してくれる見学ツアーが行われていたらしい。残念ながら自分が気がついた時には予約が一杯で参加することが出来なかったのだが、今度来ることが出来れば是非とも参加したいと思っている。
 そんな訳で今回はツアーに参加しないと見れない管制センターなどは見ることが出来なかったので、だれでも見学できる宇宙科学技術館やH2ロケット実物大模型、小型観測ロケットを打ち上げる竹崎射場、そしてJAXAやマスコミがロケット打ち上げを報道する時に使われる関係者限定のロケット打ち上げ見学ポイントである竹崎展望台を回ってきた。ロシアやアメリカとは比較にならないとは言え、さすがは巨大なロケットを現実に運用している施設だけあって敷地内は広大で車が無いととても見て回れない。今回はレンタカーを借りて本当に正解だった。

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残念ながら今回、宇宙科学技術館は工事中で展示内容の半分しか見ることが出来なかった。

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JAXA関係者やマスコミ向けの公式ロケット打ち上げ見学ポイントである竹崎展望台

 種子島宇宙センターは世界で最も美しいロケット発射施設だと言われている。最初さすがにそれは自画自賛だろうと思っていたのだが、実際に中を歩き回ってみると本当に種子島宇宙センターは綺麗なところだった。近代的な施設が手付かずのビーチの周囲に点在しているのだ。あまりに見事な砂浜なので、砂浜には「ここでの遊泳は禁止します」と言う立て札が立っていた。因みにここ以外の種子島の砂浜も綺麗な所は一杯あって夏にはマリンスポーツ目当てに多くの観光客が来るそうだ。一度、夏にロケット打ち上げとは別に観光に来るのも良さそうである。

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小型ロケット打ち上げ施設の竹崎発射台。ここからは微小重力観測用の小型ロケット(宇宙までは行かない)の打ち上げが行われていた。こんな小さなロケットでも、万が一の事故に備えてロケット管制施設はトーチカのような窓のないコンクリートの建物になっている。

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 平日なら種子島宇宙センターの食堂が一般開放されているのだが、今回は打ち上げの翌日の土曜日だったせいもあって、またも昼食難民になってしまったので宇宙科学技術館1階のお土産コーナーでこんなものを買って水分を補給した。心なしか美味い気がする。なんでも昨日打ち上げられた国際宇宙ステーションに物資を運ぶこうのとり補給船に積まれたのと同じ水源から汲んだ水だそうだ。

 夕方に予約していた高速船トッピーの時間に間に合うように余裕を持って車で島の北側にある種子島港に戻ってトッピーを待つ間にパンとおにぎりを買って遅い夕食を取る。それにしても島の売店も売り子というよりは島のおばちゃんや娘さんがやっている感じが良い。あと大阪のおばちゃんじゃないけど何か買うとついでに飴をくれるのも良かった。

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 名残惜しいがトッピーで種子島より鹿児島に移動する。

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 鹿児島港に付いたら日が短いせいもあってすっかり日が暮れていたので、そのまま予約しておいた鹿児島最大の繁華街・天文館通りの側にあるカプセルホテルに帰投する。因みにこの名前の由来は気になって後で調べた所、ヨーロッパ文明を進んで取り入れた島津重豪公が1779年に天文観測や暦の作成などを行う施設「明時館(別名天文館)」に因んだものだそうだ。

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 せっかく鹿児島に移動したので早速、薩摩料理を食べる。種子島の時もそうだったが旅行すると地方では意外に食事できる所が少なかったり、営業時間が短かったりして結構食事難民になることが多いのだが、ここ鹿児島では地元最大の繁華街の天文館近くに宿を取ったこともあり無事に夕食にありつけた。入ったのは現地では結構有名な薩摩郷土料理の吾愛人と言うお店。ここはお一人様歓迎と案内も出ていただけあって、一人向けのセットメニューも色々とあってありがたい。

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薩摩料理は始めてだが実に美味しそうだ。

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鹿児島名物の六白黒豚の一人しゃぶしゃぶを注文した。

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締めは薩摩汁。見た目よりあっさりしててダシが凄く出てて美味い。なんでも島津藩主時代に行われていた闘鶏で負けた鶏を絞めて汁にしたのが始まりだそうだ。

当然、鹿児島らしくお酒はもっぱら焼酎が中心だったので調子にのって色々焼酎を試したせいでこのあと二日酔いに悩まされるのだが、それは当日は知る由もなかった。

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ようやく種子島でロケットの打ち上げを見れた(1日目)

 ようやく種子島宇宙センターからのH2-Bロケット打ち上げを生で見ることが出来た。今回打ち上げるのは宇宙ステーション補給機(HTV)通称「こうのとり」の6号機で、打ち上げ時刻は2016年12月9日
22時26分47秒、これを現在日本の最大の打ち上げ能力を持つH2-Bによって打ち上げるのだ。ロケットの打ち上げは結構見に行く人は多いとは言え、当然集客イベントでも何でもないので打ち上げの時刻は打ち上げる物の事情によって決定されるし、天気などの問題があれば容赦なく延期される。そんな訳で「えっ、この時間にこんな所に行かなくちゃいけないの」と言った事態も当然あり得るし、一応ツアーがあるとは言え融通が利かない分、あと一日待てば打ち上げが見れたのに帰らなくちゃいけないと言った事態にもなりかねない。そんな訳で多くの人は自分で飛行機や宿を手配して来る人が多い。詳しくはやや古い記事だがこちらや同人誌なので入手するのは難しいものの完璧なガイドブックである「宇宙(そら)へ! 第3版 宇宙開発見学総合ガイドブック」が参考になる。
 そんな訳で自分も今回これらの資料を参考に自分で飛行機や船・宿などを手配した。

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 今回の打ち上げは金曜日の夜なので勤め人にも行きやすい日程とは言え、余裕を見て種子島に入るには9日の早朝便の飛行機に乗る必要がある。以前、ロンドンに行った時に羽田発の早朝便を使ったことがあるのだがさすがにきつかったので、今回は前日の夜に羽田空港側のカプセルホテルに前泊することにした。既に旅行気分でカプセルホテルについているサウナや大浴場を満喫したのは言うまでもない。

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打ち上げ当日の朝、羽田空港より鹿児島空港に向けて出発する。

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種子島は思ったよりも鹿児島から遠い、今回初めて高速船トッピーに乗るが、さすがジェットフォイル(水中翼船)だけあって座席は指定席でシートベルト着用でまるで飛行機に乗っている感じだった。エンジンもガスタービンのようでエンジン音が更に飛行機に乗ってる感を高める。

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種子島に到着。思ったよりも遠かった。

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離島の常だが種子島でも公共交通機関はあてにならないので、今回はレンタカーを借りて移動した。ロケット用のインフラ整備のお陰で道路の道幅は広く、離島らしく車は殆ど無くのんびりしているので運転はペーパードライバー歴が長かった自分でも快適だった。

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昼食難民になったり、レンタカーで宿に向かったら若干道に迷ったりしたが、なんとか種子島の宿に到着した。

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種子島で今泊まってる民宿、物凄く田舎の普通の家に泊めてもらってる感がある(結構気に入ってる)。

 それにしても種子島はまるで田舎に里帰りしたような居心地の良さだった。泊まってる民宿でお茶に呼ばれたり、宿の人の好意で一般には入れない島の人用の見学ポイントに案内してもらったり、食事も田舎に帰省した時のようにすごいボリュームでしかも島だけあって海産物が凄く美味しいのだ。お陰で打ち上げの方も最も射点に近い絵美の湯公園から見ることが出来たのだった。

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ロケットの打ち上げが見える広場は屋台も出てちょっとしたお祭り気分だった。他の方の報告によれば他の場所でもお祭りの出店みたいに屋台などが出ていたらしい。

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打ち上げを待つ人達。場所によっては数時間前からシートで場所取りをしてる人もいるあたりまるで花見や花火大会のようである。

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TVなどの動画では大きく見えるロケットも実際の見学場所から見ると、最も近い絵美の湯からでも実際にはこのくらいの大きさにしか見えない。とは言え安全の為にロケットの周囲3km以内は立入禁止なのだから仕方がない。


今回、打ち上げは生で体感するのを目的にしたのと、ロケットの撮影は非常に難しいので動画や写真は撮っていない。そんな訳で共同通信社からの動画を代わりに載せておく。

ロケットの打ち上げを撮るのは難しく、ましてその雰囲気を捉えることは至難の業だ。だからこそ生でロケットの打ち上げを見る価値があるのだが、さすがはプロカメラマンだけあってこの写真は打ち上げ時の雰囲気をとても良く捉えていると思う。まるでその瞬間、昼間のように明るくなり種子島中が照らされるのだ。そしてそれから数秒経ってからロケットの轟音が伝わってくるのがとても不思議な感じだった。  打ち上げは夜の22時26分だったので、無事打ち上げが終わるとそのまま宿に戻ってその日は就寝する。

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